ヤノベ・ケンジ 福龍展

[art] ラッキードラゴン・福龍

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東京の「夢の島」に耐候性鋼板(製品名:コルテン鋼)で覆われた「第五福竜丸展示館」と言う建物が有る。「夢の島」と言えばもちろんゴミを埋め立てたいわゆる埋立地で、今でもあちらこちらにメタンガスを抜くためのパイプがにょきにょきと(ちょっとオーバーだが)立っている。そんな中に第五福竜丸は捨てられていた。第五福竜丸は昭和29年に、ビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験で被ばくした船であることはよく知られている。乗組員23名は全員急性放射能症で入院し、無線長だった久保山愛吉さんは約半年後に亡くなった。

今回の展示は、ヤノベ・ケンジhttp://www.yanobe.com/のサンチャイルドと言う、放射能の危険の無い未来を表現した大きな人形の屋外展示を中心に、内部にも沢山の「トらやん」や「ぬすっとマウス」、「ランプ猫」が第五福竜丸の甲板に出現している。

ヤノベ・ケンジ氏はアトムスーツを着てチェルノブイリに出かけているが、その頃からまれにみる行動力に驚かされていた。あまり一般的なメディアに露出することが少なく、今回の展覧会も先日の朝日新聞を見て初めて知ることとなった。会期が終りに近付いていることを知り、今日急きょ「夢の島」に出かけた。

第五福竜丸平和協会の事務局長で学芸員である安田氏から、ヤノベ・ケンジ氏と第五福竜丸の貴重なお話をお聞きすることができ、充実した見学をすることができた。第五福竜丸は、戦後の物資の無い時代に木造船として造られ、その頃の船舶の技術や戦後の木造造船技術などを知る上でも貴重な存在となっている、とのことだった。確かに鉄道博物館や航空博物館は存在するが、船に関しては内藤廣氏設計の「海の博物館」http://www.umihaku.com/や「船の科学館」などいろいろあるが、チョット性格が違うように思えないでもないので、第五福竜丸展示館はそういった側面からも貴重な存在と言えそうだ。

ヤノベケンジ氏の作品については、以前一度だけblogに書いたことが有るがhttp://udf.blog2.fc2.com/blog-entry-75.html、現代アートの旗手の一人であることは間違いない。

発光ダイオード(LED)を使用したデジタルカウンターでゆるぎない位置を占める宮島達夫氏、ユニークな仏像彫刻や少しユーモラスな現代彫刻を手掛ける籔内佐斗司氏と前回blogに書いた奈良美智氏、村上隆氏を加えた5人が、個人的には現代アートの「My best 5」かな・・・。

・ヤノベケンジ氏のツイッター:https://twitter.com/#!/yanobekenji

・ラッキードラゴン:http://www.yanobe.com/LD_info.html

ヤノベケンジ『サン・チャイルド』光臨プロジェクト in 福島現代美術ビエンナーレ2012http://tenpo.ne.jp/KY001/project.html

 

■会場:第五福竜丸展示館 http://d5f.org/

■会期:2012 年5月3日(木)-2012 年7月1 日(日)

■時間:9:30~16:00 休館日:月曜日

入場無料

 


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