村野藤吾から20世紀建築を視る 2部

 

 

目黒美術館で開催される、長谷川尭氏による村野藤吾に関するセミナー(第1部は⇒ http://udf-tokyo.com/weblog/?p=3894参照)の第2部http://mmat.jp/exhibition/archives/ev121201で、サブテーマは「20世紀建築を貫く、四つの潮流」。第1回の「アントニオ・ガウディとチュービズム(Tubism)の系譜」はすでに、終わっているので、残りは4回と言うことになる。第1部は「村野建地の魅力を知る」と言うことで、村野藤吾の建築そのものについての考察であったが、第2部は村野藤吾と20世紀建築の世界の流れを相対的に位置付けて考察するというものだと思う。

第1回目は、余り聞きなれない「チュービズム」と言う流れとの関係を解き明かしている。「チュービズム」とは「チューブ」のような血管のような、複雑に絡み合った管のようなシステムを持った建築、と言うことのようだ。植民地の都市のように碁盤の目のような秩序正しいシステムではなく、裏道に迷い込んだら間違いなく抜け出られなくなるような、そんな混沌とした中世の都市のような、あるいは、直線で構成される機能主義的建築ではなく、曲線や斜めの線で構成されるような、いわばチューブのようなデザインを「チュービズム」と呼び、その典型をガウディに見出している、と言うことだと思う。今回のセミナーでは、ガウディとメンデルゾーンが例示されていたが、意外だったのは、バウハウスの第2代校長ハンネス・マイヤー(http://bauhaus-online.de/en/atlas/personen/hannes-meyer)の「Trade Union School of ADGB」http://architectuul.com/architecture/adgb-trade-union-school (googleMAPを航空写真にして見る)が村野藤吾の「大阪パンション」(1932)の計画に与えた影響だった。1930年ごろバウハウスを訪ねた村野藤吾が、グロピウスのバウハウス校舎に余り感動せず、その時案内してくれた若い建築教師に紹介されたマイヤーの労働学校に影響を受け、雁行型の計画にまとめたというもの。まあ、話としてはいろいろ有るようだが、あの時代背景の中、マイヤーの建築に心を動かされたというのは興味あることだ。

2部の構成は、フライアー参照のこと。

 

会場:目黒美術館

日程:2012/12/1(土)、15(土)、2013/1/12(土)、2/17(日)、3/3(日) 

時間:14:00~17:00(終了時間延長の場合もあり)

参加費:1000円

定員:先着70名

 


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