東京中央郵便局庁舎

[建築] 名建築・東京中央郵便局庁舎
中郵
朝日新聞の記事で東京中央郵便局の開発を取り上げている。
日本の、とりわけ地価の高い東京における建築文化は極めて危機的な状況にある、と言うか、「あった」と言う過去形かもしれない、要するに何もなくなってしまった状態に近い。ちなみに、鹿島出版会のSD選書の中の稲垣栄三氏著「日本の近代建築[その成立過程](上・下)」を見ると、上巻は明治黎明期のいわゆる「お雇い建築家」といわれた外国の建築家による作品群で、そのあとに工部大学校造家学科第1回卒業生、辰野金吾、片山東熊、曾禰達蔵、佐立七次郎の4人の卒業生の作品となる。もっとも佐立七次郎の現存する作品は「日本郵船小樽支店http://http://maskweb.jp/b_otarunyk_1_1.html」と国会議事堂の前にある「日本水準原点標庫http://http://maskweb.jp/b_suijun_1_1.html」の2つだけらしい。辰野金吾の作品は東京でも「東京駅」、「日銀本店(増築は長野宇平次)」と言ったものを見ることが出来る。片山東熊はどちらかと言うと「宮廷建築家」といった趣があり、東京では「赤坂離宮」、「国立博物館表慶館」といった建築を見ることが出来る。曾禰達蔵は「曾禰中條建築事務所」として「慶應義塾大学図書館」、「小笠原伯爵邸http://maskweb.jp/b_ogasawara_1_1.html」などの建物を都内で見ることが出来る。
下巻に入りやっと「モダニズム建築」としての作品が登場するが、そこには後藤慶二の「豊多摩監獄事務所・現存せず」などに続いて、「東京中央郵便局」、「旧東京逓信病院・現存せず」、「旧東京中央電話局・現存せず」と言った「逓信省」の建築が並ぶ。他にも同潤会や石本喜久治設計の「旧朝日新聞社屋・現存せず」、「旧白木屋・現存せず」などが取り上げられているが、下巻で日本近代建築の代表作として紹介されている建物のうち、現存するものはほとんど無くなっている。
唯一残っていると言える「東京中央郵便局庁舎」も、郵政が民営化され風前の灯となっている。東京駅を除く丸の内界隈はほぼ「三菱地所」が押さえきった感じで、唯一つ残った昭和の名建築が最後の餌食となることで、東京の日本人の手になる「モダニズム建築」はほぼ一掃されてしまう。
そんなことで、日本の建築文化は良いのだろうか???六本木周辺にしろ、新たに開発される新しい建物群は、いずれも同じような顔をして、その目指すところは「収益」以外にない。外国から建築家を招聘し表面を装いそれで良しとする、後はいかにテナントや「消費者」を集め利益を生み出すか、それだけの開発であり、そのうち移り気な「消費者」に飽きられ、後に残るのは単なる空虚な「箱」に過ぎない。
際限のないオフィスビルの建設、もう住む人はいないのではないかと思われるような、高層マンションの目茶苦茶な建設。オフィスビルやマンションの格差も進み、中小のビルやマンションは立ち行かなくなり、格差に拍車がかかる。
「東京中央郵便局庁舎」の行く先は、日本の未来を占うものと言っても過言ではないのではないだろうか。人の温もりを持った場所として「東京」が生き残れるか、格差のない優しい社会として日本が進んで行けるか、さてどうなるのだろうか?
新聞記事によれば、「民営化で誕生した日本郵政は、以前できなかった不動産ビジネスに意欲満々。三井不動産と三菱地所から人材を迎え、東京中央局は高さ200m、約19万屬猟狭眩悒咼襪砲垢觀弉茲鬚屬曽紊欧拭廚箸△襦I發砲茲襪般臼腸修気譴訌阿亡法嵜雄燹廚老泙入れられていたらしい。一部の民間企業が公的組織に入り込み、情報を独占的に入手し、民営化される前まで国民の財産であった土地や建物を、一部のディベロッパーが貪り食う構図はなんともおかしな風景と言わざるをえない。 激〜怒〜!
[days] 花大根
花大根
いただいた千枚漬と花大根の漬物、両方ともとても美味しい。
■知人からいただいた京漬物。京都の漬物にはおいしいものが沢山あるが、中でも「千枚漬」は特に美味しい。赤い小さな大根は「すずしろ」の一種で「花大根」と言うとのこと。京都では一般的な漬物と言うことだが、初めて食べたような気がする。見た目も綺麗だし、歯ざわりもカリカリとなかなかいい味出している。
■今日は朝から余り気の進まない文書作り。■夕方からJIAの部会+忘年会。余り集まりは良くないが、JIA近くのいつもの中華料理屋さんで宴会。と言ってもお酒は飲めないので出てくる食べ物をついばみながら、もっぱら建築談義。やはり一番の話題は確認申請の話で、兎に角通らない小さな設計事務所や、弱小の民間確認検査機関は倒産の憂き目・・・。次はJIA会長選の話題、出江寛氏http://www.izue.co.jp/top.htmlが仙田満氏http://www.ms-edi.co.jp/を破って当選、さてこの先どうなるのだろうか?


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