憲法記念日
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
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今日は憲法記念日だが、このところ「改憲」論議がマスコミをにぎわしている。
「改憲」を主張する政党の基本的な狙いは、「第二章戦争の放棄」を放棄することにある、と言うことは報道で明らか、と言うより自民党の改憲案を見ればはっきりしている。自民党の改憲案第二章は「安全保障」となっている、すなわち「戦争の放棄」⇒「安全保障」となっているところから明確なのは、日本を戦争をすることが出来る国とすることにある。さらに自民党の改憲案では「9条の2」に「国防軍」として軍隊を持つことを明記している。
よく自衛隊はそもそも軍隊であると言う議論があるが、戦争放棄を明確にしている憲法の下にある自衛隊と、「自衛権」と言う前提があるにしても「国権の発動としての戦争」を「妨げるものではない」と言う憲法の下にある「軍隊」とは全く違う時限の話しのように思える。
いずれにせよ、第二次世界大戦後、日本が国外で国として一人の人間も傷つけなかったこと、国として戦争の犠牲者を出さなかったことは、戦争の放棄、戦力を保持しない、国の交戦権は認めないと言う、憲法第九条の存在によるところが大きく、それを支持している国民の理性によるものなのだろうと思う。
自民党の改憲案は、国民の自由と権利を徹底的につぶそうとする意図が露骨なのではないだろうか。確かに「戦争」をするためには、国民の自由や権利は一番邪魔なものであることは間違いない。戦前の日本がそうであったように、「お国に逆らう」者は容赦はしないと言うことなのだろう。
そのために「公益及び公の秩序」と言う文言が再三登場する。自民党の憲法関係を担当する船田元憲法審議会会長代理によると、例えば、道路の拡幅など行政の仕事をやりやすくするためにも、もう少し「公」を尊重してもらう、と言ったようなことだそうだが(先日のテレ朝の番組による)、そんなことのために憲法を変える必要などないだろうと、普通は考える。
自民党改憲案の本音は、例えば「第21条 表現自由」と言う部分を見れば明確のように思える。
現在の憲法では
「第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」
となっているが、自民党改憲案はその後に
「2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。 」
となっており、国や行政のすることに抗議することを一切認めないことにつながる。もちろん原発に反対する官邸前抗議などあっという間に蹴散らされてしまう。署名を集めるために団体を結成しようとしても、「公益に反する」結社としてたちまち解散させられる、これって戦前の治安維持法そのもの。主権者たる国民が国権を縛るための憲法が、いつの間にか国権が主権者たる国民を縛る治安維持法になっていると言う、ブラックジョークになっている。
7,8年前、やはり憲法が危機的な時があったように思うが、その時ほど憲法を守ろうとする世論が今は高まっていないように思える。国民は生活に追われてそれどころではない、と言うことも有るし、中国や北朝鮮の状況を利用して、そういう時を狙って、国民にとって取り返しのつかないことをやってしまおうとするのが、今の自民党や日本維新の会ということになる。今の自民党は、以前のような理性と良識のある政治家を欠いている、それが心配でもある。
自民党改憲案は他にも戦前回帰の発想がちりばめられているようだが、今日は9条と21条についての危惧を書いてみた。とにかく憲法を読んでみよう。
■日本国憲法 http://kenpou.jp/
■日本国憲法:元写楽 http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784093946117
■憲法を変えようとする自民党改憲草案 http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf
■憲法を守ろうとする社民党の自民党改憲案批判 http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/constitution/critic/img/constitution2013.pdf
■映画 日本国憲法 http://www.cine.co.jp/kenpo/
以前チョッとだけ書いたがまた書くことになるとは⇒http://d.hatena.ne.jp/udf/20060503
自民党の改憲案が成立すれば、このようなblogも書けなくなる可能性が大きい。
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
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- Published:
- 5.3.13 / 10am
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