INAX REPORT 174

[書籍] INAX REPORT 174
INAXREPORT174
INAX REPORT 174表紙:山田守邸の階段
INAX REPORThttp://inaxreport.info/)に付いては時々紹介しているが、最新号の174号は「山田守http://star.ap.teacup.com/architect-yamada/70.html」特集。「山田守」と言えば郵政建築の前身、逓信省の建築家として活躍した、近代建築史上も著名な建築家ということになる。
「山田守」はどちらかというと、後の電電公社、NTTの流れの源流と言えるかも知れない。後の「郵政建築」の源流である「吉田鉄郎http://www.sainet.or.jp/~junkk/teishin.htm」に比べて、「分離派」としての特徴(?)が良く出ているような気もする。
山田守邸」は青山学院に隣接して、1階は「喫茶店」、2階はギャラリーとして実際に見ることが出来る。
「udf」が郵政時代に設計監理担当者として「山田守」の建築と係わったのは、旧京橋通郵便局の解体。屋上の流しが花崗岩から削りだした半球状の物だったのに驚いた記憶がある。
著書の解題」は槇文彦氏の『見えがくれする都市』(SD選書)。これは「必読」だと思うが、まあ、それはそれぞれの解釈によるが・・・。東京の地形や「辻」と言ったものを知るきっかけとなった本で、とても印象深い。「さいたま新都心」の街づくりのテーマが「辻広場」だったが、この本を読んでいたことがとても役に立った。
都市防衛の手法の一つとして、「道」を「ずらす」ことによって発生する小さな「広場」が「辻」と言うことになるようだ。日本には「広場」と言う概念が無いように言われるが、こんなところに固有の広場があったわけだ。「辻辻に高札が立つ」とか「辻説法」などと言うのも、このような広場がコミュニケーション空間だったことをあらわしているのだろう。「瓦版」などという「新聞」が売られていたのも、「辻」とか橋の袂の所謂「橋詰」などだったのだろう。
[特集3]デザインする街は今回は名古屋。
 
[days] 多摩美術大学図書館
多摩美-1
多摩美術大学図書館の案内パンフレット
多摩美-2
この建物のもう一つの「主役」は藤江和子氏デザインの家具を中心にした、インテリア空間。そのかぐ配置と家具についての説明(1階)
多摩美-3
同じく2階。
照明
「日蝕」のようなこの写真は照明器具(伊東豊雄事務所と東芝の共同開発とのこと)。
写真を沢山写したが、今日は紹介する時間が無いので後日(バウハウスの書籍もまだ紹介していないが・・・。)
写真⇒http://udf.jugem.cc/?month=200805(久しぶりに「ジュゲム」のblogに画像を掲載した!)
■世田谷地域会からの連絡で申し込んでおいたJIAの見学会。橋本はかなり遠いが、伊東豊雄氏設計した図書館は是非見てみたかったので、午後から出かけてみた。橋本駅からバスで10分足らずで到着するが、多摩丘陵といった風景をまだ色濃く残した中に多摩美のキャンパスはある。
多摩丘陵と言えば30年近く前に多摩郵便局を担当した頃の多摩センター周辺は無残なものだった。一面に土が露出した丘陵の風景は惨憺たる物があった。全体計画は大高正人氏によるもので、サイン計画やデザインコードなどが取り入れ始められていた頃だが、結果として余り良い「街」にはならなかった様な気もする。それに比べれば、環境に配慮すると言う時代の流れの中でのキャンパス計画なのだと思う。
建物の方は、アーチ構造の建物として話題になったが、さすがによく出来ている。空間の規模は写真で見ていたより「小ぶり」に感じたが、伊東豊雄事務所の東氏の解説を聞きながらゆっくり見て回ると、軸線がランダムに構成されたアーチが作る空間の面白さが随所に見られた。
全体の家具計画をされた藤江和子氏も見えていて、いろいろお話を聞くことができた。今までの藤江氏のイメージと違うものもあれば、なるほどと思えるものもいくつか有った。
見学は許可を取ればできるようなので、チョッと都内からは距離があるが一見の価値はある。
■見学会の最中に、極々親しい知人の病状が悪化した知らせがあり、いろいろ心配事が絶えない。まあ、どのようなときも「困難」は付き物なので、一つずつ解決していくしかない。「解決」するといった種類のものではない「困難」もあるが、それはそれでやはり乗り越えなければならない出来事の一つと言ったところか。
katsura-house】は実子設計に入り、矩計を急いで書いているが、まだまだプランが動いているので工程がどうなるのか心配なところ。基本設計から出来れば進め方は随分変るのだが、そう言う訳ではないので、これもまた一つずつ「解決」しながら前へ進むしかないわけだが・・・。
■明日は郵政時代の先輩のお見舞いに・・・。いろいろお見舞いに行く機会が多い今日この頃・・・。


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