新国立競技場の何が問題なのか

上図はザハ氏のCGだが、絵画館が雪崩か土石流に飲み込まれそうなイメージに見える。絵画館の後ろに伸びている部分は、明らかにコンペの要綱違反の部分で、今はこれは無くなり、左側すなわち南の方にコンペ案より伸びている。今回の計画で住民ごとクリアランスされてしまう霞ヶ丘住宅の方に、突出した部分が作られているが、いったい競技場へのアプローチがどう考えられているのだろう？（下の2枚の図は、伊東豊雄氏のレクチャーで使われたものをネットから転載）最寄り駅はJRの千駄ヶ谷駅又は信濃町駅と地下鉄大江戸線の国立競技場駅になるのだろうが、明らかに方向が違う、これでは銀座線の外苑前駅に近くなるが、外苑前駅では神宮球場のヤクルト戦でパンク状態なのだから、仮に8万人に対応するとなるとどうするのだろうか。とにかくずさんな計画であることは間違いない。時間を掛けてきっちりした計画を作り直すべきではないかと思うが、今から計画を立て直すと、ラグビーのワールドカップに間に合わないから、見直しはできないと下村文部科学大臣が記者会見していた。これは、森元首相がそのように約束してきたから、それでやれと言うことなのだろうが、ラグビーのお祭りのために、将来にわたり都民や国民に大きな影響を持つ、巨大プロジェクトがごり押しされていいのだろうか、良いわけが無い。大体この修正案は誰が設計しているのだろうか？ザハ氏が自らやっているとも思えないのだが・・・。日建設計+日本設計+・・・あたりでこねくり回しているのか・・・、オープンであるべき国のプロジェクトが全く闇の中で進んでいると言うこともおかしな話である。

リアルスタイルというサイトでも、新国立競技場について特集記事を組んでいる。

リアル・スタイル号2014年05月24日　東京の神宮外苑に建設予定の新国立競技場をめぐって、建築家らが批判を続けています。人類学者の中沢新一氏と、建築家の伊東豊雄氏による問題提起。（GQ JAPAN編集部）　 Over the New National Stadium Japan