素晴らしいシーランチ・コンドミニアム。・・・

シーランチ
[建築]シーランチ・コンドミニアム
かなり先の話だが、TV東京(12ch)の「美の巨人」で2週にわたって、チャールズ・ムーアが取り上げられる。放送日は11月12日と19日の10:00PM〜10:30PMで、12日は石井和紘氏が解説をするらしい。
チャールズ・ムーアについては、以前少しだけ書いたが(http://udf.blog2.fc2.com/blog-entry-11.html)日本のネット上では余り情報が無いようだ。すでに過去の建築家と思われているのか?「シーランチ・コンドミニアム」はとても魅力的な建築だと思う。
石井和紘氏の「はがき通信」から引用しておくと、

素晴らしいシーランチ・コンドミニアム。そこでのムーアのことを想いだすと胸が切なくなるほどです。

石井和紘氏がどのような解説をするのか、12日の放送が楽しみ。
シーランチ・コンドミニアムに関するサイトを少し探してみた⇒ http://www.archinform.net/projekte/668.htm あるいは http://www.greatbuildings.com/cgi-bin/gbi.cgi/Sea_Ranch_Condominium.html/cid_3150571.gbi 
最近は建築やインテリアデザインが、かなり「ファッション」として取り扱われているようで、やや気になるところ。
時代の変化と共に、建築やインテリアのデザインが変化していくことは、それはそれで良いのだが。しかし、特に、建築はそれほど短い時間で「消費」されていくものではないだろう。
チャールズ・ムーアやジェームズ・スターリング、日本でいえば宮脇檀氏等々、十分評価されてしかるべき建築家の作品が、本やネットで余り見ることが出来ないと言うのは、建築の文化としての評価が確立しない日本の特性なのだろうか?
社会全般の風潮と同じように、最近の建築ジャーナリズムも「知」の欠乏がはなはだしいように思えないでもない。
昔がすべてよいと言う事には勿論なるわけではないが、たとえば60,70年代は、「建築評論」・「都市住宅」・「建築」・「SD」などかなり個性的で建築を「知的文化」としてしっかり捉えた「建築ジャーナリズム」が有った。
現在は残念ながら、建築の表層だけを取り上げている「痴的・建築ジャーナリズム」が横行しているように見えないでもないし、デザイナーもまるで「芸能人」のような気分で振る舞っているように見えないでもない。
「何が正しく、何が誤り」と決め付けることは、「文化」の自滅行為ではあるだろうが、「建築」を求める人にとって、何が最も重要なことであるかは、常に考えておかなければならないのではないかと・・・。チャールズ・ムーアをネットで探していて、なんとなくそんな思いがよぎった。
トップの写真は、石井和紘氏の「はがき通信」から。
関連記事⇒http://udf.jugem.cc/?eid=36


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