逓信~郵政建築展
↑ 旧大阪中央郵便局(吉田鉄郎設計):解体現存せず
東京中央郵便局が一部保存されたものの、超高層事務所ビルとなり、見ようによっては丸の内界隈の、三菱地所設計による「墓石高層ビル群」と同じコンセプトで、歯車の一枚に成り下がったと言うことでもあろうか。東京中央郵便局の設計者である吉田鉄郎の代表作大阪中央郵便局は次の計画が決まる前に、保存の声が強まるのを恐れて?、瞬く間に解体されてしまった。
ある意味、国立競技場と同じく、「壊してしまえば何も言えまい」という、とても哀しく貧困な発想だともいえる。
それはそれとしてこの展覧会は、国のインハウス設計集団として長い歴史のある郵政建築を、吉田鉄郎と戦後の郵政建築をリードした小坂秀雄を中心に振り返ろうという展覧会。
展覧会を主催する「郵政博物館」が置かれていた(当時は逓信総合博物館)小坂秀雄の代表作の一つ、大手町の「逓信ビル」は、再開発のために解体され、外観デザインなどを担当した「ホテルオークラ」の解体が決まっている。「ホテルオークラ」の外壁のデザインなどは、「逓信ビル」でいろいろ実験されたものでもある。小坂秀雄らしい建築は外務省庁舎など数少なくなってきているようだ。
戦前の建物に限らず、惜しまれて解体された建築の後にできる建物は、以前の建築をしのぐ質は持てていないのが現状ではないだろうか。あるのは経済効率だけ、「今だけ、金だけ、自分だけ」と言う、「今」を象徴するものでしかないようだ。
大手町からスカイツリーの足元に移った「郵政博物館」での「逓信~郵政建築展」とは、どのようなものになるのか・・・。
■会場:郵政博物館 http://www.postalmuseum.jp/
■日程:2014年9月13日(土)〜12月14日(日)
休館日 10月15日、11月12日
■時間: 10:00〜17:30(入場は17:00まで)
■入場料:大人300円
↑ 旧逓信ビル(小坂秀雄設計):解体現存せず
↑ 左:旧逓信ビル塔屋DETAIL 右:改築案
逓信ビルの解体 http://bluestyle.livedoor.biz/archives/52262522.html
TOKI:LOG (テイパーク見学) http://blog.goo.ne.jp/t-log707/e/592e381051f0c7f1767ffe22f02bbe94
ホテルオークラの解体
↑ 左:ホテルオークラ(竣工時? 外観デザイン:小坂秀雄) 右:ホテルオークラ改築案
東京の伝統美を「破壊者」から守れ:NEWSWEEK http://www.newsweekjapan.jp/column/tokyoeye/2014/07/post-866.php
外務省庁舎
↑ 外務省庁舎(設計:小坂秀雄)
↑ 旧東京郵政局庁舎+関東郵政局庁舎(設計:旧郵政大臣官房建築部設計課):解体現存せず
↑ 旧東京国際郵便局(設計:旧郵政大臣官房建築部設計課)
↑ 旧郵政省庁舎(現日本郵政本社)設計:旧郵政大臣官房建築部設計課
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- Published:
- 10.1.14 / 7pm
- Category:
- 建築
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