聚類眞寫築建

表紙

[建築][書籍]カフェー外観集・巻一
昭和5年(1933年)に発行された「建築寫眞類聚」第七期第十六輯【カフェー外観集・巻一】(昭和8年第四版のもの)を、これからしばらくかけて連載したいと思っている。著作権がどうなっているのか分からないのだが、問題がある場合は写真その他削除する予定。
編輯兼発行者は「建築寫眞類聚刊行會・高橋由太郎」となっており、発行所は東京市牛込區市谷台町十番地「洪洋社」。会社への案内図が載っているが、やたらと交番が多い。昔のフジテレビのあった近くではないだろうか?
巻頭言らしきものがあるので、かなり長いが引用しておく。

聚類眞寫築建
1集觀外ーェフカ
 赤い酒、青い酒、それは人生をいろどる夢のような色彩※がなあらう。バーやカフェーの建築が又、市街地の建築群を綾なす所の一種の極彩色である。それ等が街々の至る所に。歡樂と蠱惑の象徴として爛々たる眼を輝かしている。
 中流以下のバーやカフェーは、内部の構成よりも外觀の趣向に没頭する。内部的な原動力としては、衣裳と白粉との立體美が備へられ、外部への原動力として、魅惑的な表示――即ち外觀が積極的に考えられる。これが現代カフェーの本體である。
 カフェーと云ふ大きな形式の中にあえぎながら、個々の形式は千差萬別であり、自由奔放である。從って建築意匠家が参與してゐるものは、餘程しっかりしたもの以外には甚だ甚少ない。
本集編纂に當りて、設計者調べにかゝって見ると、主人設計と至ふのが相當あって、建築家のはっきりしないものが少なくない。
何れにしても、カフェーの如き建築には、外觀意匠のサンプルがもっとも痛切に要求される。此故に本集の如きは、地方的にも相當歡迎されるであらうことを豫期する。

となっていて、旧かな使いで書くのが大変だったが、文字がはっきりしないものは「※」、文字がパソコンで見つからないものは、ヘンとツクリを別の漢字を並べて作ったのでおかしなことになっているかもしれない。
この「巻頭言」を見ると、当時は地方都市までかなりカフェーが作られていたようで、第一次カフェーブームだったのかと思わせるところがある。この辺りは「INAX ALBUM 18 カフェーと喫茶店」(初田亨著)に詳しく載っている。
「建築寫眞類聚」はかなりの種類の物が出されているようで、カフェーだけでも内外何冊かあるようだ。内観のものもかなり面白そうで、前述の「INAX ALBUM 18」にも何枚か載っている。残念ながら手元にはこの一冊しかない。
装丁はリング綴じのものと、この本のように写真が1枚ずつばらばらに入っていて、厚紙に紐のついた表紙で綴じられているものもある。13cm×19cmで写真は50枚、目次と巻頭言が両面に印刷された紙1枚、それになぜか薄い紙に印刷された大きさも違うものが1枚入っていた。勿論写真はモノクロ。
これからできれば毎日少しずつ写真を紹介していく予定。

カフェーと喫茶店―モダン都市のたまり場
初田 亨
INAX出版 (1997/03)
売り上げランキング: 504,442

(第一回寫眞掲載⇒http://udf.jugem.cc/?eid=38
[Days]本を引き取りに
■朝、必要があり区の出張所に住民票を取りに行き、裏書をして渡し、駅で別れる。無事、免許証が交付されたと、夕方帰って来た。
■叔母が仮住まいにしている、旧T設計事務所に行き少し本を引き取ってくる。戦前の出版物に面白いものがいくつか含まれている。
同潤会の渋谷(代官山)と青山(表参道)の建物を取り上げた、「建築寫眞類聚・新興アパートメント」と言うのも面白い。
古い「新建築」も面白い。名古屋放送局のコンペで、小坂秀雄(丸の内建築事務所)が2等で、丹下健三が3等の記事が載っていたりする。
9坪ハウス」の原型、増沢洵の「最小限住宅」の当時の記事が数頁に渡って載っていたりする。そのほか面白い記事が沢山有るので、順次取り上げていくことにする。
PTT-B】夕方、次回の授業のレジュメを送付し、新しく買ったThinkPadに授業のデータを入れる。
JIA】見学会の連絡メールを、カルチャー・部会長・調整をしてくれているY氏に送り、スケジュールなどをFIXする作業を行う。


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