羊たちは沈黙するか

年賀状+NOWAR

2015年は、干支で言えば「羊・未」と言うことになる。年々、日本の伝統は消え去りつつあるが、十二支はどうだろう?

30年位前だろうか、鎌倉の覚園寺でお坊さんが十二神将を説明している時、見学者の子供に「何年?」と聞いたが、答えは「うおし座・・・!」だったか、星座を答えてその場が一瞬凍りついた。でもまあ、年賀状を見ると、それでもまだ「未」に関するものが多いので、それなりに生きてはいるのだろうか。

門松を立てている家も本当に少なくなった、特に若い世代の家には皆無といってよいかもしれない。グローバル化といっても、それぞれに個性が無ければ、ただの平準化で、何の面白みも無い。日本の伝統は、生かして欲しいと思う。

それはそれとして、今年は、若者や子供の未来にとって、きわめて重要な年になるのだろうと思う。第二次世界大戦後、日本はそれなりに平和で平穏な日々を過ごしてきた。そのような時代の保証として、日本国憲法があり、平和主義の要である9条が国家の暴走をかろうじて抑えてきたわけだが、どうもそれが怪しくなってきている。国家の名の下に国民を、戦争という名の殺人行為に狩り立てることを許すのか、それとも、それを阻止することが出来るのか。

年頭にあたり、天皇陛下が感想を文書で表された、その中で、「この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。」と述べている。「象徴天皇」として言いえる最大の表現で、愚かな首相と取り巻きに向けて警告を発しているとの評価が一般的なようだ。

羊たちは沈黙を守るのか、あるいは「戦争をするな」と叫ぶのか、叫ぶとすれば今、と言うことだろう。

天皇陛下の新年の感想 全文 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150101/k10014381931000.html

 

※今年の年賀状は羊の横顔をシルク印刷で。スケッチは2枚で決定、別に羊は眠っている訳ではなく、黙考中。

インクは、HOLBEINの残っていたゴールドを使用。シルバーは、渋谷のウエマツで購入したアルミの粉末を布インク用のメディウムで溶いて使用。ゴールドは真鍮の粉末とリキテックスの薄め液で作ってみたが、急いでいたこともあり上手くいかなかった。シルクの版はいつものようにニス原紙をカットしてアイロンで作成。細かな加工はしていないが、ハガキ150枚もたなかった。送る時には「no nukes」のシールと、宛名部分には「no war」シールを貼り付け(一部例外あり)。

2014.12.30 年賀状-原案スケッチ-2 2014.12.30 年賀状-原稿 ニス原紙 加工 2014.12.30 年賀状-シルク 版 2014.12.30 年賀状-1加工 2014.12.30 年賀状-ゴールド 2014.12.30 年賀状-作業中

 


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