SPECTRUM展-いまを見つめ未来を探す

SPIRAL30周年を記念したイベントの一つ。今まで発行された「SPIRAL PAPER」の縮刷版が配布される(部数限定)。4人の作家が作品を出しているが、個人的には栗林隆氏と榊原澄人氏の作品に興味を持った。特に栗林氏の〈Vortex〉「黒いフレコンバッグの社で、見えないものと向き合う」と言う作品は、「コンセプチュアル」であると同時に「美しい」。アートは基本的には「美しい」物が好きだ、勿論「コンセプチュアル」なものも魅力的だが、分かりづらく理解されないことも多いかもしれない。

栗林隆氏の作品は、SPIRALの吹き抜けに「黒いフレコンバッグ」が高く積み重ねられ(実際は天井から吊るされているようだが)、黒いかたまりとして見えてくるが、中に何かあるのだろうとは予想がつく。入り口はきわめて小さく「隙間」そのもの。当日は隙間から中を見たら赤ちゃんが「ハイハイ」していて、作品よりそちらに先に目が行った。やはり人間の存在が無いよりも勝るのか?中の作品は透明の文字(アクリル化と思ったがガラスらしい)が天井からシャンデリアのように吊られている。SPIRALの吹抜けには大きなトップライトがあり、「黒いフレコンバッグ」で囲まれた内部は、トップライトの明かりで十分明るく、照明は無い。たまたま作家がいたので、夜はどのような照明を使用するのか尋ねたところ、「シャンデリア」内部にある十字架に灯りがともると言うことだった。是非夜の展示も見なければ・・・。文字はアインシュタインからルーズベルトに宛てた手紙の文書とのこと。テーマは徹底的に「核」と言うことのようだ。

「半減期が30年以上と言う放射性物質を含んだ土を扱うにも関わらず、3年程度しかもたない素材でできたバッグを使っている状況、そしてその圧倒的な物量に衝撃を受け、・・・。」

ドローンで撮影された「黒いフレコンバッグ」置き場(約1分45秒)⇒https://www.youtube.com/watch?v=UCP7PFT9coU

5階に展示された榊原氏の作品も必見、エレベータ内部の作品も榊原氏のもの。エレベータの作品以外は動画、極めてアイロニカル、現代社会への鋭いまなざしを感じることができる秀作だと思う。

2015.09.26 SPIRAL 栗林 フレコンバック シャンデリア 詳細

2015.09.26 SPIRAL 栗林 フレコンバック 1 2015.09.26 SPIRAL 栗林 フレコンバック 2 2015.09.26 SPIRAL 栗林 フレコンバック 隙間2 2015.09.26 SPIRAL 栗林 フレコンバック 隙間 2015.09.26 SPIRAL 栗林 フレコンバック シャンデリア  2015.09.26 SPIRAL 栗林 フレコンバック シャンデリア 詳細2 2015.09.26 SPIRAL 栗林 フレコンバック シャンデリア 見上げ 2015.09.26 SPIRAL 栗林 フレコンバック 作者 B2aC5gYCcAA1HYr

2015.09.26 榊原澄人 3

2015.09.26 榊原澄人 EV内部 2015.09.26 榊原澄人 2 2015.09.26 榊原澄人 1 2015.09.26 SPIRAL  2015.09.26 SPIRAL PAPER 縮刷本-0 2015.09.26 SPIRAL PAPER 縮刷本-1

■会場:SPIRAL  http://www.spiral.co.jp/

■会期:2015年9月26日(土)〜10月18日(日)

■開館時間:午前11時〜午後8時

■入場無料

2015.09.26 栗林隆 300


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