木村屋敷
[建築]河津 木村屋敷
木村屋敷エントランス。左の門をくぐると庭へ、右の部分はサービス部分(調理人が2人泊まれる部屋がある)。
木村屋敷のチラシ。
織部釉の屋根瓦(洋館・サービス棟)
庭の一部(写真が良く撮れていないが、滝の石組もあり水が心地よい音を立てて落ちている)。
洋館部分洋室(cafeになっているので新しい家具が入っている)。
2階の廊下(サービス用には別に階段がある)、天井は網代で洗面室は造作家具や衛生陶器がほぼ竣工時の状態で残されている。
洋館とは言え、2階は基本的に和風。
2階洗面所のペーパーホルダー、タイルの納まりも今ではとても不可能な丁寧なもの。現代建築は随分退化したものがある、人の技術も、人の心も。
写真については、量が多いので掲載方法検討中(平面図もいただいている)。
国道135号線から県道14号線に入り北に向かって走り、河津中学校を川の反対側に見てしばらくすると左側に「木村屋敷」の案内がある。Kさんが私財を投じて保存再生を試みている、昭和初期の「お屋敷」が「木村屋敷」http://kimurayashiki.i-ra.jp/。洋館と和館を備えた(別棟にはなっていないが)今では珍しい「お屋敷」である。東京のこの時代の建物はなかなか残らなくなっているが、この「木村屋敷」は、売却されて解体される運命だったものを、K氏が私財を投じて買い取り、コツコツと保存再生を行っている。
Kさんの話では、建築・庭園についての情報は全く残っていないので、近隣の住人でその頃の状況を知っている人から聞き取り調査を行い、建築の経緯などを調べている最中ということであった。
現在、国の文化財に登録すべく申請中で、年内には文化財として登録されるとのことである。本来であれば自治体がバックアップすべきところではないかと思うが、どうもそううまくいっていないようである。
「木村屋敷」の案内チラシによれば、以下のようなことになる。
旧三菱財閥の重鎮木村久寿弥太が昭和初期に建てた伊豆峰の別邸です。
皇族をお迎えすべく造営されたとも云われている建築の粋を凝らした家屋と東伊豆の巨石を随所に配した池や滝、竹林のそぞろ歩きも楽しめる大庭園となって居ります。
春は桜、初夏はぼたん、秋は紅葉と四季折々に咲く美しい花や草木に包まれ、まるで時が止まっているような感覚を訪れる人に味合わせてくれる「お屋敷」です。
外観はかなり忠実に保存されているように見える。珍しいのは洋館の織部焼屋根瓦、今まで織部焼の瓦というものは見たことがない。もっとも、それほど多くの文化財的な建物を見ているわけではないので、何とも言えないが。
「洋館」と言うくくりにしているが、実際には洋館部分の2階は和室で構成されている。この「洋館」に続いて「和館」があるわけだが、「和館」は基本的に茶室となっている。4畳半の小間と8畳(?)の広間、それに6畳ほどの広さの立礼の茶室から構成されている。他に、水屋と前室(名称としては何に当たるか?)。茶室の入り口は「貴人口」的な取り扱いになっている。
保存再生という観点からは気になる部分も散見されるが、K氏の努力には敬服するものがある。建築の全体的な保存のほかに、建具や金物、照明器具の保存も良く出来ているのではないだろうか。特に照明器具は竣工当時のものではないかと思われるものが、数多く残されているように思える。
庭園については整備するまでに至っていないようだが、地形を生かしたかなり大規模なもので、使われている石も大きなもので、滝も備えた見ごたえのあるものになっている。蹲に使われている自然石も含めて一見の価値がある。地形を生かしたということでは、鎌倉の明月荘の庭園にも共通点があるが、「木村屋敷」の庭園はその石組と言うことでは非常に大規模である。見ることはできなかったが、建物前の庭から「山」を登って頂上付近では、一方には河津の町並みが見え、振り返ると「深山幽谷」の景色を見ることが出来、茶室若しくは東屋の礎石も見つかっているそうである。庭園が整備されれば、それだけでも見ごたえのあるものになることは間違いない。
このような立派な文化財の保存再生が、個人的な努力のみに頼らざるを得ない状況が続くようなことがあって良いのか・・・、保存再生が街おこしや、地域の経済的な成長に寄与できることはないのか、誰もが考えてはいるが答えが見つからない多くの命題の中の一つか?
[days] Dal Pirata
河津の谷津と言う交差点(T字路)の少し下田よりの135号線沿いに、イタリアの国旗がはためいているので分かりやすい。
ダルピラータ外観、蔵の部分が客席部分、テラス席は海と対面している。
内部:木構造の木組みが魅力的な空間。
4人で訪れたのでデザートも4種類、どれも美味しい、デザインも素晴らしい!
ショップカード(裏)
■先日、久しぶりに休みを取って伊豆高原の知人の別荘で休養。東名で渋滞に巻き込まれた以外は、135号線も順調で昼過ぎに伊豆高原に着き、「更科」で「てんころうどん」で昼食。夕食は「光水産」で地物のお刺身を造ってもらい家で済ませる、もちろん温泉三昧!
2日目は朝湯の後、朝食を済ませて久しぶりに「黒潮プール(現在は「ルネッサ城が崎」)で午後まで過ごす。最近「60肩」で腕が上がらず、クロールが出来ず、ゆったりと平泳ぎで軽く泳ぎ、建築雑誌などを眺めながら、プールサイドで至極の数時間を過ごす。帰りに「sora」http://udf.blog2.fc2.com/blog-entry-677.htmlでお茶をしながら、木村屋敷と河津のランチ情報を収集、「Dal Pirata」を教えてもらう。「sora」に「hanako」が置いてあったが、そこに「sora」が掲載されていた。夕食は近くの「花小路」で和食。温泉は3回にとどまる、以前1日5回温泉に入って気持ち悪くなったことがあるが、まあ、3回程度が妥当な線か・・・。
3日目は、朝遅めに出かけて河津の木村屋敷へ(木村屋敷は上述のとおり)。135号線は順調で50分ぐらいで城が崎から河津へ。ランチは「sora」http://izu-cafesora.com/から聞いた「Dal Pirata」http://www.dal-pirata.com/へ。橋を越えてすぐ右側にイタリアの旗がたなびく「蔵」が目指す「Dal Pirata」。海、135号線、「蔵」という感じで海に面した135号線沿いにあるので分かりやすい。もともとそこにあった土蔵をリニューアルしてイタリア料理店になっている。腰の部分は青みがかった「伊豆石」、上部は「なめこ壁」。その土蔵に、厨房・トイレ・バルコニー席を増築してある。内部は、腰は外部の伊豆石がそのまま仕上げになっているので、伊豆石の馬乗りの組石造、上部は漆喰で木の木組みが露出していて、なかなか良い雰囲気。肝心の料理だが、とても美味しい、パンも自家製で、特にデザートは見た目も素晴らしい逸品、料金も極めて良心的、道路が混まないことが分かっていれば、是非また訪れたいお店。帰りに八幡野来宮神社にお参り。
No comments
Jump to comment form | comments rss [?] | trackback uri [?]