子どもの外遊び

子どもの外遊び
東京新聞
郡山市の表土除去開始を伝える東京新聞4月27日夕刊
朝日新聞
同じく郡山市の表土除去作業を伝える朝日新聞4月27日夕刊
文科省や県教育委員会の「必要無い」という見解も詳しく伝えている。県の教育委員会は文科省の見解と同じ、市の教育委員会のことは書いていないが、市の教育委員会は市長の意向を、市長は市民の声に従った、と言うことのようだ。身近な自治体が住民を守り、そこから離れた立場になるほど、住民の安全は後回しで、自らの立場を守ることに判断基準があることが分かるような気がする。
東洋経済
よく言われる「原子力村」の関係が良く分かる相関図(週刊東洋経済より)
斉藤和義
斉藤和義氏の替え唄などを紹介する東京新聞4月11日記事
今日の夕刊に郡山市が放射能対策として小学校と保育所の一部で校庭の表土を削る作業を始めたことが報じられている。これは、最近テレビにも登場するようになった中部大学の武田邦彦氏のblog(http://takedanet.com/2011/04/52_a7e0.html)にも有るように、子供の被曝を出来るだけ少なくしようとする作業と言うことになるのだろう。
当然このようなことは、小学校を管轄下に置く文部科学省や保育所を管轄する厚生労働省の指導のたまものかと思ったがそうではないらしい。朝日新聞によると文部科学省は校庭の放射線量が屋外活動を制限する基準値の毎時3.8マイクロシーベルト以上であっても、活動を1日1時間以内に押えれば安全を保てると判断。高木義明文科相は「ずっと放射線量が下がらないとなれば何らかの検討をしないといけない」としつつ、「いまのところは必要ない」との見解を示している。」そうだ。
文科省の頭の構造がどうなっているのか分からないが、遊び盛りの子供の外遊びを「1日1時間以内に押える」と言う発想は一体どこから出てくるのか、官僚や大臣の子どももしくは孫はどうも外で遊ばないか、福島県周辺には住んでいないらしいと言うことになる。もし自分の子供や孫がそのような状態に置かれたらどうなのだろう。
大体放射能は校庭だけに落ちてくるわけではないことは子どもでも分かる、道路にも家の庭にも、同じように落ちてくる訳で、通学に片道15分かかるとすれば往復で30分、とすると残りは30分、子供たちを家に軟禁するのが適当、と言うのが文部科学省の役人や大臣の判断と言うことになってしまう。どう考えても良く分からない・・・。
原子力関係の所管官庁は、原子力安全・保安院を持つ経済産業省と年間2500億円以上を使う文部科学省(ちなみに経済産業省の原子力予算は1900億円程度らしい:週間東洋経済より)と言うことになる。現在、燃料棒を取り出すシステムの一部を原子炉の中に落として停止中の「もんじゅ」も文部科学省の傘下にある訳で、こちらも前途多難な事故で、落し物は重さ3トン、長さ12メートル、既に拾い上げるのに24回も失敗していると言う。冷却は金属ナトリウムだから水はかけられない、どうするのだろう・・・。
子どもたちを守り育てなければならない文科省が、子供なんぞは1日1時間外に出せば放射能もまあ適当に浴びるぐらいだから郡山市は余計なまねはしないでよろしい、と言うことのようだ。放射能をあまり騒がれては、我省で行っている原子力関連事業に支障が出るから余計なことするな、と言うことなのだろう。子供たちの将来より今の利権が大切、と言うのが子どもたちのためにあるはずの文部科学省なのだろうか。もっとも、文部より科学省で子どもより原子力エネルギーなのだと主張するのだろうか・・・。でも、福島県教育委員会も「今の放射線量は児童・生徒の健康状態に影響を与えるものではなく、表土を削る必要はない」として県立学校での実施は考えていない、そうだ。
表土を削ったのは小学校で表土近くで毎時3.8マイクロシーベルト以上、保育所で3.0マイクロシーベルト以上の場所だと言う。考えるまでもなく、「毎時3.8マイクロシーベルトで1時間なら外遊びしても問題ない」と言うことは、1時間を越えたら問題があると言うこと・・・、どうしてこういうことになってしまうのだろう?
乳幼児を守り、保育園を管轄する厚生労働省のことは、話題になっている斉藤和義氏の「ずっとウソだったんだぜ」の厚労省画像付きyoutube が分かりやすいかもしれない(http://www.youtube.com/watch?v=4JVJs8sG5A4&NR=1)。
子どもたちの未来のためにも、国民の安全を考えない国に頼らず、身近な自治体が適切に素早く動いてほしいと思う。そういう意味では、今回の世田谷区長選の結果は久しぶりの良いニュースのように思う。http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/93aa8ef3ac00b4c57908c88cb9e70c3b
[days] 虹は架かれど
虹
移動中の車の中から撮影。虹の向こうが琵琶湖、手前を走る湖西線の電車は原発銀座「敦賀」に向かう特急か?
■先日、福島の原発事故を避けて避難中の知人を訪ねたおり、琵琶湖のほとりを走る湖西線の向こうに架かる綺麗な虹を見た。早く、福島原発の事故がそこそこ納まって、また、みんなが穏やかな日々を送れることを願うばかり。とは言え、原発周辺の地域は実質的に生活拠点を失うことになるかもしれない。建築家協会の知人のふるさとも福島原発の近くで、いろいろ苦労をされているようだ。避難する際、連れていた犬が放射能チェックにかかり除染したり、チェックをクリアーするのにご苦労されたようだ。周辺の家畜は処分されてしまうようだ。それでも、原発を支持する国民は40%を越えるらしい。電力会社や文科省、経産省、厚労省等々、「原子力村」の人たちの努力の成果と言ったところだろうか。


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