バーン=ジョーンズ展

[art]バーン=ジョーンズ展

  

バーン=ジョーンズと言うと、ラファエロ前派との関係が前面に出てくると言うことだろうか。19世紀末のイギリス美術界(建築や工芸デザインを含めて)は、産業革命の中心的な国の芸術運動として、歴史上でも重要な位置を占めていることは言うまでもない。特に工芸関係は、ウイリアムモリスを中心にしたアーツアンドクラフト運動が注目されるところ。ウイリアムモリスについては、以前、汐留ミュージアムで開催された展覧会の時に、少し書いている⇒http://udf-tokyo.com/weblog/?p=51。その時のblogの一部を引用しておく、と言うか、「デザインのイデオロギーとユートピア」の引用と言うことになるが・・・。

「実をいうと、私はマルクスの価値論がどれほど貴重なものか知りません。私がそれを理解していないからといって、それは私にとってまったくどうでもよいことなのです。・・・自分はそれにもかかわらず社会主義者だと思っているのです。私にとっては、腐敗した富裕階級が金持ちで、労働階級が貧乏であること、また金持ちが金持ちであるのは彼らが貧しいものを搾取しているからなのだということを知ること、それが経済学なのです。」

ところで、ラファエロ前派と言えばロセッティのあの特徴的な女性モデルを思い浮かべることと思うが(ここでもウイリアムモリスを避けて通れないが)、バーン=ジョーンズの描く女性像もどこか同じような雰囲気を漂わせている。いわゆる耽美派に属するスタイルだと思うが、19世紀末から20世紀初頭の美術の中でも、個人的には好きな部類に属する。装飾的でかつ耽美的というスタイルはなかなか魅力的に思うのだが・・・。

■会場:三菱一号館美術館  http://mimt.jp/

■会期:2012 年6月23日(土)-2012 年8月19 日(日)

■時間:木・金・土 10:00~20:00 火・水・日・祝 10:00~18:00 休館日:月曜日

■入場料:一般1500円

 


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