新国立競技場を問うシンポ
2020年の東京オリンピックが決まり、その招致のためのプレゼン用に、かなり閉鎖的に行われた「新国立競技場」のコンペで、ザハハディド氏の案が1等賞になった。その建物の、環境を無視した計画に唖然としたが、唖然とした日本の建築家はかなり存在したようで、槇文彦氏が日本建築家協会の機関紙「JIA MAGAZINE 295号」(8月号) PDF⇒ http://www.jia.or.jp/resources/bulletins/000/034/0000034/file/bE2fOwgf.pdf に、問題を提起し、シンポジュウムが行われることとなった。槇文彦氏はインタビューに答えて、「一老建築家が、このようなエッセイを書かなければならなかったその背後にある我々の建築文化の風土について、少し皆で考えてみることができればいいことだと思っています」と語っている。
当初建築家協会のホールで開催予定であったが、反響が大きく、計画敷地内の日本青年館に会場を変更して開催されることになった。さらにその様子はustreamでも中継されることとなったので、当日会場に足を運べない人も是非その様子を見ていただければと思う。以下の案内は、このシンポジュウムのfacebookとケンプラッツからの情報を基に書いている。
名 称:シンポジウム「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」
https://www.facebook.com/events/146766988867251/
パネリスト:槇文彦、陣内秀信、宮台真司、古市徹雄(兼進行)
日 時:2013年10月11日(金)18:00~20:00
場 所:日本青年館 中ホール (新宿区霞ヶ丘7−1)
会 費:一般1000円、学生500円
定 員:先着350人(定員を超えた場合は別室にてモニター上映の予定)
※当日下記URL(ustream)にて中継も決定しました。
http://www.ustream.tv/channel/jia-kksk
趣 旨:JIA MAGAZINE 295号に掲載された、槇文彦氏の「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」という論考を私たちは重要な問題提起として受け止めました。この問題をさらに深めたいと考え、シンポジウムを企画しまた。(主催者資料より)
主 催:新国立競技場を考えるシンポジウム実行委員会
発起人(あいうえお順):五十嵐太郎、伊東豊雄、乾久美子、宇野求、大野秀敏、北山恒、隈研吾、栗生明、小島一浩、小林正美、佐々木龍郎、陣内秀信、曽我部昌史、高見公雄、多羅尾直子、塚本由晴、富永譲、中沢新一、中村勉、南條洋雄、西田司、波部玲子、日色真帆、藤村龍至、古市徹雄、古谷誠章、堀啓二、松永安光、三井所清典、元倉眞琴、門内輝行、山本圭介、山本理顕、吉村靖孝
事務局:新国立競技場を考えるシンポジウム実行委員会事務局(代表は元倉眞琴、電子メールはkokuritsu.wo.kangaeru@gmail.com
ちなみに、槇文彦氏の主張の骨子と、国立競技場将来構想有識者会議メンバーが東京新聞に掲載されているので紹介しておく。
新国立競技場の面積は、ロンドンの3倍と言われている、また、ザハハディド氏の設計したロンドン五輪のプールはオリンピック開催時は17500席を仮設スタンドでカバーして、恒久的には2500席の市民プールになると言う、そのような方法もあるのではないだろうか(ケンプラッツ ⇒http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20130909/631550/?P=1 )。
この問題は、外苑周辺の規制緩和にも関することなので、東京新聞に載った記事も含めてudfblog( http://udf-tokyo.com/weblog/?p=4646 )を参照していただきたい。
【森 桜さんからの情報】
さっそくですが、「新国立競技場」計画につきまして、松隈洋(さん)が下記の文章を書きました。添付(下の新聞記事)をごらんいただけたら幸いです。 ()内udf追記
◎松隈洋 「一建築家の投げかけた問いの重さ」 『日刊建設工業新聞』(2013/10/04)
追記:
このシンポジュウムについては報道機関も取り上げているので、順次掲載したいと思うが取り急ぎ、NHKのテレビニュースを載せておく。
NHKニュース 新国立競技場「景観にそぐわない」 http://www3.nhk.or.jp/news/
追記:2013.10.19 【森 桜さんからの情報】
◎松隈洋 「景観の民主主義」 『京都新聞』(2013/10/16)
松隈洋氏の発言が続くが、松隈氏は京都工芸繊維大学教授で、京都会館の改修等についても発言されている。前川國男建築設計事務所の出身。
■■■ ケンプラッツ 記事 ■■■
▽「巨大すぎる」、槇文彦氏らが新国立競技場に異論
http://nkkp.jp/a/bn/20131018/
※※※ 追加記事※※※2014.01.05
2013.12.31 東京新聞
東京新聞の記事によると、コンペの募集要項の中にすでに、当時の都市計画規制を無視した内容が盛り込まれていたと言う。主催者であるJSC(Japan Sport Council/日本スポーツ振興センター:理事長・河野一郎氏)公的な組織ではなく、まして都市計画の内容を自由に変える権限など全く持っていない。なぜ都市計画で決められた高さ規制を大幅に緩める要綱が作られ、それを基にたいした議論もせずに、半ば秘密会議的にザハ氏の案が一等になり、その後「フレームワーク設計者」と言う聞きなれない「設計者」が決められ、ザハ氏の当選案に対する縮小案なるものが提起され、その線に沿ってすべてが走り始めている(予算の縮小についても、採算性について極めて疑問に思える金額がはじき出されている)。今回の件についてLIXILの「10+1」webが青井哲人氏の一文を載せている⇒http://10plus1.jp/monthly/2013/12/issue03.php
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- Published:
- 10.6.13 / 10am
- Category:
- 建築
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