新国立競技場 開閉屋根先送り

2015.05.20 国立屋根延期 東京新聞←クリックで拡大

5月15日に「スポーツ報知」が「新国立競技場、950億円で造れる 東京五輪へ“格安”案」と言うスクープ記事をぶち上げた。その3日後に下村文科相が「開閉式屋根先送り」、「可動席の取り止め」、「仮設席を使って八万席の確保」など、信じられないような、新国立競技場の計画変更を公表し、舛添都知事に500億円の都税の出費を要請した。競技場周辺の整備費と言うことだが、都知事は、東京都の試算では、周辺整備費は50億円程度で足りるはずと、後の会見で述べていた。

ほぼ完全に現国立競技場が解体され、地上からその姿を消したタイミングでの計画変更の発表である。

久米設計によれば、700億円余りで現国立競技場を改修して、オリンピックに使用できると言う調査もなされていた。その計画によれば、地下にサブトラックを整備すると言うもので、新国立競技場がサブトラックを持たず、五輪後は国内の正式な陸上競技すら出来ないと言う、欠陥競技場であるのとは違い、五輪後も陸上競技場として機能をするものである。ザハの新国立が今のままでは、3000億円近くに建設費が膨らみかねない状況を考えると、実に時勢にかなった計画であった(競技場が解体されてしまったので過去形)。環境に配慮し、出来るだけ既存の施設を使うと言う、IOCの考え方にもあっていたはず。

この大失態に、誰も責任をとろうとしない、原発事故と全く同じ構図のように見える。

責任者は明白である。政治の世界からは、ラグビーのワールドカップを日本に引きずり込んだ森元首相、誘致議員連盟の副会長中谷防衛相、それに何より張本人の下村文科相。官僚は個人名が国民には分からないのが大問題だが、一連の文部官僚(平然と天下りする鉄面皮)。JSCの河野一郎理事長。そして建築会の元凶はコンペでほぼ独断でザハを指名した安藤忠雄(いまだに逃げ回って責任を取ろうとしない)。阿川佐和子氏との対談でも、全く他人事のようなことをいっているのにはビックリしたし、外苑の木を切るようなことはない、競技場の中のことだからと、安倍信三張りの嘘を平然と語っているのに又ビックリ!(インタビューは途中から)

 

個人攻撃をするのは本意ではないが、安藤忠雄の対応には目に余るものがあるので、「紙の爆弾」8月号に「建築エコノミスト森山」氏が投稿した記事を「新国立競技場に執着する安藤忠雄の大罪」を紹介しておく⇒http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-11921842694.html

udfblogでも、コンペ直後からずっとこのプロジェクトは追い続けていますが⇒http://udf-tokyo.com/weblog/?p=4646(他にたくさん掲載していますので、検索してみてください)


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