CONTEMPORARY JAPANESE 1985-2005

間1
展覧会のチラシ 1:2000 same scaleのプランが全作品掲載されていて面白い
[建築] 日本の現代住宅1985-2005
ギャラリー間で行われる展覧会http://www.toto.co.jp/gallerma/ex051201/index.htm。小島一浩氏と千葉学氏が、1985年から2005年までに建てられた住宅を123軒選び、「日本の現代住宅1985-2005」として模型を中心に展示するようだ。
はたして、「建築家」が時代を代表する建築としていくつかの作品を選ぶことに意味があるだろうか?特に似たような作品の傾向を持つ建築家2名が、若い人に影響力の大きい「ギャラリー間」で「日本の現代住宅」と称してセレクトするのは、いささかあつかましいのではないだろうか?
まして自分の作品を4軒も選んでいる訳だが、まず「ギャラリー間」は何故小島一浩氏と千葉学氏が「日本の現代住宅」と称して作品を選ぶ能力があるのかを、客観的に説明しなければならない。説明できないのであれば、展覧会の名称を変えるべきである。
ところで、時代を代表する住宅(建築)とはどのように定義されるものだろうか?今回の展覧会でその辺りの説明があるものと期待しているが・・・。
そもそも、建築のデザインは建築家の思想であり「好み」でもあるだろう。勿論それは「時代」の産物でもあり、その「時代」を如何にとらえるかが大きな要因でもある。例えば、山本理顕氏や黒沢隆氏のように、社会との関連において明快な住宅に関する考え方を持っている建築家もいる。
住宅には「一般解」があるわけではないので(ハウスメーカーの「擬似スタンダード」などは論外として)、さまざまな生活にさまざまな住宅が建てられる訳だから、ある作風を持った建築家が「私の好きな住宅1985-2005」と言う展覧会をするのは、とても面白いしそういうものが沢山行われれば、かなり有意義だと思うが・・・。
まあ、目くじら立てることでないといえばそれまでのことだが、もう一つ「嫌だなあ!」と思うのは、連続講演会「21世紀の住宅論」として、磯崎新氏・安藤忠雄氏・藤森照信氏・伊東豊雄氏と言った「大家」を並べていること。勿論それぞれ一家言持つ大家なので、話を聞けば面白いことは間違いないだろうが、なんとなく「事大主義」(勢力の強いものに従う主義)的な臭いがする。
建築家が本来なすべきことは何か?そのあたりをこれから学ぼうとする若者に、大きな影響力を持つであろうジャーナリズムが、「売れる」建築を煽るのは如何なものか・・・。勿論、住宅が売れると言うより「雑誌」が売れるかと言うことだが。
と言うことで、チョット「噛み付いて」みたが、まあ「好み」の二人の建築家の企画する展覧会でもあり、ある意味とても面白そうなので是非見てみたいと思っている。


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