保存!解体?
[建築][書籍] たてもの保存再生物語
東京人2月号表紙
「東京人」の記事の一部、旧帝国製麻ビルの姿を見ることが出来る、レンガの色が鮮やかだったが、写真は残念ながら白黒。「窓の図鑑」と言う非常に面白いサイトに「部分」だがこの建物の画像を見ることが出来る⇒http://madozukan.exblog.jp/m2006-10-01/#4321311
雑誌「東京人」http://www.toshishuppan.co.jp/back_shousai.php?id=117の2月号は表題のように「保存再生」の特集。建築について、特に「近代建築」についての特集は時々見ることが出来る。今回は「保存と再生」と言う、建築家協会の建築交流部会での一連の見学会のテーマとも重なっているので、チョッと取り上げてみた。
「保存!解体?揺れた建物リスト」と言うことで、分類された建物のリストが面白い。
「あえなくなくなったもの」これはさして話題にもならず、組織的な保存運動もないままに消えていってしまった建物群。その筆頭に上がっているのが、辰野金吾氏設計の「旧帝国製麻ビル(大栄不動産ビル)」。この建物は本当に綺麗な建物だった。東京が「水の都」だったことの、実に貴重な「証人」だったわけだが・・・。日本橋から時々「綺麗な建物だなあ!」と思いながら眺めたものだったが、本当に「あえなくなくなったもの」だった。こういうものを壊して新しく出来る建物と言えば、まったく人の心を動かすような質の高いものは皆無である。
他にも「旧憲兵隊下士官官舎・竹平寮」、「食糧ビル」、「日本大学法学部図書館」等など・・・。
「運動空しくなくなったもの」にいたっては、「なんで壊すの!」と言った感じで、取り返しの付かない文化の破壊と言えるのではないか。とりわけ残せる可能性の一番大きかった、東京都所有の「同潤会・大塚女子アパート」。駅前再開発と言う「諸悪の根源」とも言うべき動きと、「余人をもって代えがたい」と身内を称した「石原都知事の決断」であえなく取り壊されてしまい、今もって更地のまま放置されているようだ。原宿の「同潤会・青山アパート」もMビルとその「お抱え業者」となったA氏の餌食になったことは周知の事実。安藤忠雄氏が「権力者」に尻尾を振るようになったのは一体いつの頃からなのだろう?まあ、個人攻撃は良くないので「都市ゲリラ」の頃の安藤忠雄氏がいつか戻ってくることを祈りつつ・・・。
「痛み分け、部分保存など」では、かの「交詢ビル」などが取り上げられているが、この辺りは「良かったり悪かったり」と言ったところだろうか。「うまく残ったもの」は良いとして、問題は「現在進行形」のグループ。「東京中央郵便局」、「三信ビル」、「神奈川県立近代美術館」「文化学院」などが入っている。どれ一つとして壊してよいものなどはない、「KEN−Platz」の中での五十嵐太郎氏の発言には共感できる部分もある。
1950年代や60年代に建設された建物が建て替えの時期を迎え、次々に壊されつつある。懐かしい記憶が多く残るはずの風景が、どんどん消えていく。半面、こうした建物よりも古く、記憶にとどめている人が少ない建物が復元されようとしている。東京駅はその一例だ。丸の内側の駅舎が復元される一方で、戦後の建築として大きな意味を持っていた八重洲側の建物は壊されてしまう。このままでは、20世紀半ばの記憶がごっそり抜けて落ちてしまう。
成熟した都市には、時間の蓄積を実感できる様々な建物が必要なことに何故気がつかないのか、あるいは十分気がついていても「目先の利益」に翻弄される輩が多すぎるのか。
[建築] 東京女子大学 東寮・体育館
緊急シンポジュウムの報告書の一頁。
上記「東京人」の「現在進行形」の中の一つ、アントニン・レーモンド氏設計の「東京女子大学 東寮・体育館」。最近保存運動が活発化しているようだが、女子大内部の施設でもありなかなか眼にする機会がないが、数年前の当時の建築家協会・関東甲信越支部の教育委員会(現建築交流部会)の見学会で眼にすることができた。キャンパス全体をレーモンド氏が計画しているということもあり、他にも多くの素晴しい建築があり、キャンパス全体の環境を良好にしている。その一角が崩れたら、当然武蔵野の面影を残すキャンパス全体が「再開発」の憂き目を見ないと誰が言えるだろうか。
「東京女子大学レーモンド建築 東寮・体育館を活かす会」⇒http://homepage2.nifty.com/twcu-raymond/
[design] タオルが好き
展示販売会のDM
「タオル」は本当に気持ちがよい。洗いたてのホワホワのタオルはなんとも心地よい。そんなタオルの世界最大の産地が今治だとは知らなかった(よく知られていることらしいが)。DMによると、「ひびのこづえのタオルとタオルウエアーと、厳選された「今治生まれの白いタオル」を展示販売します。四国・今治のタオルメーカーとデザイナーたちの新しい取り組みをお楽しみください」とのこと。
■会場:スパイラル・ショーケース
■会期:2月15日〜19日(11:00〜22:00)http://www.spiral.co.jp/event/showcase/#000198
[days] サイン
何のサインだろう?
【momo-house】先日、「カワジュン」のショールームにクライアントご夫妻とそのお嬢さんであるインテリアコーディネーターとで出かけたが、都営地下鉄新宿線の浜町の駅に入る入り口に、床屋さんのネジリン棒みたいなサインがぶる下がっていた、一体これは何?サインとして何か意味があるのだろうか???
【〒】とんでもない仕事だった(終わったわけではないが)、他の仕事を抑えて3週間ほどかかりきったが、どうしようもないほど収拾が付かない。時間も無いし、単価も恐ろしく低い。一般の設計事務所がすべて逃げてしまって、逃げられない「OB」に赤字の仕事を回すといった構図が見えるような見えないような。どこぞの大企業とそれを支える下請け会社群の構図と同じで、下請けはボコボコにたたかれて親会社だけが儲けまくるといった、自動車業界と同じ扱いといった感じがする。「下請け」が滅びればいずれ本体も滅びる、「労働力の再生産」と言う、資本主義の「いろは」も分からんかい、と独り言、現在の歪んだ日本社会の縮図、兎に角、疲れた!「義理と人情」で仕事を請けるのは今回限り。まあ、住宅の仕事も「義理と人情」のしがらみがの中で、ではあるがどうせするなら好きな仕事がよいのはあたりまえ。
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- Published:
- 2.15.07 / 10pm
- Category:
- 建築
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