「横浜の建築と客船」見学レポート

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先月25日に予定通http://udf-tokyo.com/weblog/?p=3976神奈川大学教授内田青蔵氏を講師にお招きして見学会実施、天気は辛うじてもってくれたので、横浜地方気象台からスタート。気象台の方には極めて好意的に見学をサポートしていただいた。保存された第一庁舎はアールデコ様式の建物で、小振りだが随所にアールデコの装飾を見ることができる。山手の外人墓地の横に立地していて屋上からの眺めは抜群、今回は気象台の職員の方の立ち合いのもと屋上に上らせていただくことができた。館内用として寄贈された「建築設計叢書・神奈川県測候所」と言う冊子のコピーが展示されていたが、どの程度設計に関与したかは不明だが設計の顧問として、横河民輔、武田五一、佐藤功一と言った名前が並んでいた。

横河民輔http://farwestto.exblog.jp/tags/%E6%A8%AA%E6%B2%B3%E5%B7%A5%E5%8B%99%E6%89%80/

武田五一http://inaxreport.info/data/INAX169_04_14.pdf

佐藤功一http://gipsypapa.exblog.jp/tags/%E4%BD%90%E8%97%A4%E5%8A%9F%E4%B8%80/

耐震補強の方法が極めて明快なのが良いのか悪いのか?まあ、余り良くは無いと思うが、建物をきちっと保存再生したことは、称賛に値すると思う。

アメリカ山からエレベーターで下まで降りて、近いので徒歩でホテルニューグランドへ。ホテルの宴会場は予約が入ると見学できなくなるが、平日の午前中と言うこともあり「無事」フェニックスルームを見学、結構使用率が高いようで、内田先生の話では「開かずの間」と言うほど見学しにくい場所とのことだった。先生の説明を聞いた後、和風の重厚なインテリアに、見学者一同熱心に見て回る。今回は部会員の遠藤勝勧さんが参加されていて、例によって熱心に「測ってスケッチ」をされていた。そのスケッチのコピーをいただき、遠藤さんのスケッチ中の姿と一緒にレポートに掲載させていただいた。ロビーでは外国のモデルさんを使っての撮影が行われていたが、ホテル側のご好意で撮影の合間にロビーも見ることができた。当初予定に入っていなかったもう一つのホール、レインボールームも先生のご尽力とホテル側のご好意で見学することができた。フェニックスルームとは対照的に、レインボーと言うだけあって、天井に虹が架かったような明るく華やかなインテリアで、なおかつ和風と言う魅力的な空間だった。今や大都市に巨大ホテルが立ち並ぶが、このような魅力的なインテリアを持ったホテルが一体いくつあるだろうか、職人さんたちの技術やそこにかかわった人たちの熱い思いが滲み出ている建物がいかに貴重なものになっているか・・・。

ホテル・ニューグランド資料http://www.hotel-newgrand.co.jp/img/80th_history.pdf

ホテルを出て次は目の前にある「氷川丸」へ向かう。今や戦前の日本の客船はこの氷川丸を残すのみで、貴重な遺産と言うことになる。所有は日本郵船に戻っており、日本郵船の手で保存再生されている。見学は主に「Aデッキ」の一等食堂などパブリックな部分で、コンペによりデザインされた部分を中心に先生から説明をいただいた。見学会としてはそこで一度解散、その後、各自出船内を見学、特に川島勘兵衛のデザインと言われる、一等客室の繊細なデザインに目を凝らしていた。船に興味のある人には操舵室や船長室、機関室等も面白いのではないかと思う。ちょっと変わったところでは、3等客室の2段ベッドタイプの部屋も興味のわくところ。

3時間弱の見学会だったが、先生の楽しいお話と、魅力あふれる空間を満喫して無事終了となった。横浜には多くの近代建築が保存されている、来年度にまた横浜での企画を考えたいと思っている。今月29日からは建築家協会の横浜大会が開催されっるので、その機会にいろいろ下見ができればと思っている。もっとも、仕事もしないといけないのだが・・・。

 

 

氷川丸インテリア・カラースキム:横浜市指定文化財「氷川丸」調査報告書(平成16年3月 横浜市教育委員会)より【内田青蔵先生提供】

 


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