大きなつながりの中の一枚のタイル・・・

TRY

[design]武田武人 タイル展
白金の「space TRY」での展覧会http://www.spacetry.com/artists/takeda_takehito/takeda_takehito.html。 武田武人http://i-debut.org/journal/j_disp.asp?code=1124はデザイナーと言うよりは陶芸家のようだ。
spaceTRYでの展覧会出展者はアーティストだったり、デザイナーだったりいろいろなようだが、今回の作家もどちらだか分からないところがある。まあ、アーティストであっても、デザイナーであってもどちらでもよいと言えばよい訳だが・・・。とは言え、「かたち」を作るものとして、「アート」であるか「商品」であるかは随分違うはず、もっとも今の世の中では「アート」も「商品」!

深澤直人

[design]デザイナーは!
先日の総選挙の結果を受けて、憲法改悪の動きがにわかに現実的になってきたが、それとは関係なく「広告批評http://www.kokokuhihyo.com/ 2005年2+3月号で、デザイナーへのアンケートをとって、「憲法九条」についての特集を組んでいる。
そもそも、「広告批評」と言う雑誌が何なのかと言うことになるが、その名のとおり巷にあふれる「広告」を「批評」すると言うもので、以前は天野祐吉氏が編集長をして正真正銘広告の批評だったが、最近あまり見ることもなかった。
先日、「±0http://www.plusminuszero.jp/に寄ったときに「深沢直人特集」を目にして、今までと少し違った感じがして購入してみたが、特集記事はとても充実しているように思えた。
2004年の4月号からアートディレクションを「グルーヴィジョンズ」http://www.groovisions.com/(サイトからスクリーンセーバーがインストールできる)が担当していて、表紙も「格好良い」ものが多い。
バックナンバーを見るといろいろ面白そうなものがある。2004年4月号の「グルーヴィジョンズ特集」と2005年の「2+3月号」の「特集 日本国憲法第9条」を銀座の文教堂で購入。
「特集 日本国憲法第9条」は初めに「言葉の問題としての憲法9条」と言うことで、「池澤夏樹×大塚栄志×高橋源一郎」の鼎談があるあたりが、「広告批評」たる所以だろうか。
アンケートはデザイナー・漫画家・アーチスト・画家・作家・社会学者等々「68人アンケート」からなっている。
質問は2つで「Q1 日本国憲法の第9条を改定することについて、賛否とその理由をお聞かせください。」、
「Q2 改憲問題のほかにも、温暖化問題や教育問題なども大きなテーマになっていますが、それらを含めて、この国のあり方や方向などについて、お考えがあればお聞かせください。」と言うもので、回答がそのまま載っている。
調査の結果を見ると回答者の90%以上が改訂反対、若しくは絶対反対と言うもので心強い限りだが、なぜ68人なのか分からない。
デザイナーとして名前のあがっているのは2名で、その一人深澤直人氏の回答は以下の通り。

「1・反対。戦争を正当化するいかなる理由もこの世には存在しないと思います。戦いは俯瞰でとらえるものではなく、個と個の肉体によるぶつかり合いによる死の集合体であります。その集合体が戦争であるととらえるべきです。日常のいざこざで相手を殴ることすら人間には易しい行為ではないのに、争う理由を個としてもたない同士がどのような理由で相手を殺傷できるのでしょうか。・・・」

やはり優秀なデザイナーは「想像+創造」する能力にたけているのでしょうか。このように考える人が一般的であれば、世界中が平和であるのに、と思います。
ただ、残念なことに現在はバーチャルな世界で育ってきた多くの若者が、その「個と個のぶつかり合うこと」を生身の身体で知らない。ゲーム感覚で「ボタン」を押しさえすれば人を殺せると思っているかもしれないところに、大きな落とし穴があるように思える。
戦争はけっして「ボタン」だけでは終わらないことは、イラクの市街戦を見れば分かるし、正規軍同士が戦うことが現代の戦争はまれなことだと言うことが分かっていないとまずいなあ、と思うのだが。
もう一人のデザイナーは早川タケジ氏で回答は以下のとおり。

「1・「絶対反対!!」改定論には、それなりの理由と複雑な問題があるのだろうが、とにかく私は戦争がいやなので、なにがなんでも反対。反対の理由を理論たててこの場で発言するのは、残念ながら私にはどだい無理な話しで、全く不向き。
しかしこの様な事柄に黙って引っ込んでしまうのは、一番良くないと思い、ただただ単純に「絶対反対!!」と意思表示だけはさせていただいた。」

少々長くなったので、最後に心情的にかなり小生と近いものがある、ヤノベケンジ氏の回答を上げておく。

「1・反対。理由は簡単。私には戦渦に巻き込まれれば、ただ逃げ惑い、怯える事しか出来ない幼い二人の息子がいるから。」

まあ、小生の息子は幼くはないが、戦場になど絶対に送りたくないと言う単純な理由。
何も難しい理屈はいらない、ただ自分のこととしてとらえれば、おのずと答えは出てこようというものなのだが、何故「第9条」を改定して戦争をしようと考える人がいるのか理解できない。
勿論そうすることで利益を得るほんの一部の人が、利益を得るために戦争が出来るようにしようとするわけだが、何の利益を得るどころか、もしかしたら愛する息子や夫や孫が、死に追いやられるかもしれないと言うようなことに、何故賛成する人がいるのか全く理解できない.・・・
広告批評表紙
広告批評2005年2+3月号表紙
広告批評9条
特集の中のある頁。以下のような解説が付いている。

(お答え)分かりません。いまのところは、憲法改定を主張しているところ、だいたい徴兵制はない、と言っているようです。つまり、志願制ですね。でもね。戦争もするようになった軍隊に自分から志願する若者なんて、いまの日本にいるんですかね。

まあ、「戦争マニア」とか「ピストルを撃ってみたい」若者は少しいるかもしれませんが、マニアが少し集まっても戦争は出来ないので、まず徴兵制なんのではないか・・・。


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