五輪競技場木にしたら?

五輪競技場木にしたら 2013.12.13クリックで拡大

東京オリンピックの是非についてはいろいろ意見のあるところだが、あのザハ・ハディド氏の計画はいただけない。何故かは「見れば分かる」と思うが・・・。

先日、審査員の一人、内藤廣氏がコメントを出したが http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20131209/643769/、どこかの政党の「建設族」のような認識であることに唖然とした。もっともこの内藤廣氏の挑発的なコメントに反応する必要は無いだろう。そこにはこの問題を、「建築家の内輪もめ」として演出しようとする、怪しげな雰囲気が立ち込めている。時期的にも新国立競技場推進派が一斉に反撃に転じた頃であり、ストーリー作りをしているブレーンがいるのだろうが(どこぞの広告代理店か?)、いずれにしても、INAX通信で内井昭蔵氏のあとを継ぎ、良識も見識も十分ある建築家と思っていただけに、少々がっかりした。国立競技場の間近にある都立青山高校出身の内井昭蔵氏であれば、ザハ氏の案には決して賛成することはなかったのではないかと思う。

ところで、12月13日付の東京新聞で、「五輪競技場木にしたら」と言う記事があったので紹介しておく。全37競技場(そんなにあることも知らなかったが)の内、約半数の競技場が配置される江東区長が東京都木材団体連合会長と共に、今攻撃(何故、自公が攻撃するか?実質的に脱原発に走りすぎたからか?)にさらされている、猪瀬都知事に木造競技場建設の要望書を提出している。竹中工務店のエンジニアはメイン競技場を木造で作ることは技術的には問題ないとコメントしているし、鹿島建設も、「環境にやさしく、日本の技術力を示せる」としている。

日本で行うオリンピックであるのだから、日本建築の伝統である「木」を利用した建物で、と言う考えはごく自然であるように思う。大体、今回の国際コンペの審査委員長である安藤忠雄氏は、セビリア万博で日本政府館を木造で設計している訳でもあるし http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Pabellon_de_japon_expo_92.jpg 、今から木造に変えても良いのではないだろうか。

先日、新国立競技場の収支予測が出て、年間4億円の黒字としている。その総収入が約45億5千万円、総支出が約41億5千万円となっている。どこかの地方空港の収支予想ではあるまいし、どうしてこのような「嘘」が言えるのか、その神経が分からない、どうせ国民には分かりはしないと言う発想なのだろうか。しかし、国際フォーラムの維持管理費だけで年間70億円と聞いたことがある、その真偽は定かでないが、あの規模で、あの形で、なおかつ巨大な可動屋根を持つ施設の維持管理費が40億円であるはずが無い。

おそらく、周辺環境の整備や便乗移転を加えれば、2000億円程度の税金は使われるのだろうから、「嘘」を並べるのだけはやめて欲しいものだ。


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